一般に、鉄道のエネルギー効率は自動車の3倍であると説明されております。しかし、厳密な話をしますと、同じ鉄道車両でも電車と気動車では違いますし、電車のような動力分散車両と、機関車のような動力集中車両でもまた違いがあります。ですが、自動車の3倍であるのは電車と見て大きな間違いはなさそうです。
でも、どうして鉄道は自動車よりも省エネなのでしょうか。電車は車よりも加速が悪いので、エネルギー効率が低そうですが、実際は電車の方が圧倒的に省エネなのです。確かに、鉄道車両は一般的に、加速が悪くて減速も遅い性質があり、そのために閉塞や信号設備などの特別な技術が必要です。ですが、一旦加速してしまうと、滑らかなレールの上を滑らかな金属の車輪が転がって走りますから、転がり抵抗が非常に低くなります。これは、舗道でも乾燥した状態よりも濡れた状態の方が車やバイクが速く走れるのと同じ理由です。摩擦が小さくなるので曲がりにくくなりますが。
さらに、電車や電気機関車の場合では、電力回生ブレーキが使えますからさらに省エネになります。昔の電車のブレーキは発電ブレーキと言って、電車の主電動機を使って発電させ、その電気を抵抗器で熱にして捨てることでブレーキ力を得ていました。電力回生ブレーキでは、その電気を架線に返還することでブレーキ力を得るもので、電車の省エネ性能をさらに高めています。F1のKERS(運動エネルギー回生システム)に似ていますが、こちらでは電気エネルギーに変えて蓄電池に蓄える場合と、回転エネルギーのままそれをフライホイールに蓄える場合とがあるようです。